💎「硯（すずり）で稼げる副業」は幻想か？

🌸 氷河期世代の私が抱いた違和感

こんにちは、さゆです。
私は50歳、小規模企業を経営しながら海外ECや新規事業企画のアドバイザーをしています。

就職氷河期に社会に出て、2度の起業と2度の挫折、自己破産まで経験しました。
だからこそ、「副業で人生を変えたい」と願う方の気持ちが痛いほど分かります。

最近SNSで目にする

「硯を買って転売すれば儲かる」「伝統資産で副業できる」――

一見すると文化的で魅力的な響き。
でも、私は思いました。

“そんなにうまい話があるだろうか？”

経営者として、そして一度すべてを失った経験者として
冷静な目でその実態を追ってみました。

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⚙️ 「硯ビジネス」とはどんな仕組みか

この副業の説明は、とても“わかりやすく”作られています。

• 高級硯を数十万円で購入するだけ
• 数ヶ月後に「中国の富裕層が高値で買い取る」
• 在宅でOK、初心者でもできる
• 限定枠・特別価格・短期利益といった甘い言葉

しかし、調査していくと驚くほど根拠が薄い。

📉 一般的な硯の相場は「数千円〜高くても数万円」。
📉 「転売市場」は存在せず、買い手の実態は不明。
📉 「文化資産だから値上がる」という理屈にも裏づけがない。

つまり、仕組み上「利益がどこで発生するのか」が説明できない。

私のように数字で仕事をしている人間から見れば
“利益の算数が合わない”時点でアウトです。

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💬 松本悠里という“名前”の使われ方

この案件でよく登場するのが、「松本悠里」という人物。

SNSやLINEで丁寧に接して信頼を築き

「あなたは特別」「限定でご案内できる」と言葉巧みに誘導する手口です。

「SNSで知り合った女性・松本悠里に『35万円の硯を買えば10倍になる』と言われた」
「グループに招待されたが、転売サポートは一切なし」

こうした体験談が、いくつも報告されています。

つまり“松本悠里”という名前は
実在の人物というより安心を演出するための“架空ブランド”なのかもしれません。

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💣 現物が届くことで“詐欺ではない”と錯覚する

多くの人が「硯がちゃんと届いたから大丈夫」と思ってしまいます。

しかし、そこが最大の罠です。

🔸 現物は届く（＝詐欺ではないように見える）
🔸 でも市場価格は極めて低く、転売先は存在しない
🔸 「保証」「サポート」は口約束だけ

つまり、“形ある詐欺”なのです。

この手法は昔から存在しており
「安心感のある現物」を利用して心理的ガードを下げる典型例です。

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🧭 経営者として見た「構造的欠陥」

私は小さな会社を20年以上続けています。
この硯ビジネスには致命的な経済的欠陥が見られます。

1️⃣ 仕入れ価格（原価）が不明
2️⃣ 市場データ・取引履歴が非公開
3️⃣ 利益の計算が成立しない
4️⃣ 販売者の実在が確認できない

もし自社の社員が同じ仕組みを提案してきたら、私は即座に「撤退しろ」と指示します。

なぜなら、再現性も出口もないビジネスだからです。

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⚠️ 狙われるのは「不安」と「希望」

この種の詐欺がターゲットにするのは
まさに私たち“氷河期世代”や“再起を目指す層”です。

• 将来への不安がある
• 老後の資金が足りない
• 「もう一度挑戦したい」という気持ちがある

これらの心理は、悪質業者にとって最高の“入り口”です。

実際、彼らの言葉はまるで見透かしたように甘く響きます。

「あなたなら成功できます」
「今回は特別に…」
「私たちは文化を守る活動をしています」

心が疲れていると、こうした言葉ほど刺さるものはありません。

しかし――信じたい気持ちこそが、最も危険な状態なのです。

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💡 私が実践している「安全な副業の見極め方」

経営と副業を両立する中で、私が必ず守っている基準があります。

✅ 利益の仕組みを自分の言葉で説明できるか？
✅ 収益構造が数字で再現できるか？
✅ 会社・運営者の情報が公開されているか？
✅ 初期費用が“明確な目的”で使われているか？

この４つをクリアできない案件には、絶対に関わりません。

なぜなら、そこに「計算」と「責任」がないから。

私が信じる副業とは

“リスクを理解し、努力を積み上げるビジネス”です。

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🌱 現実的な副業こそが“継続”を生む

私が今、心から勧めたいのは派手さのない副業です。

🌿 海外ECでの少額輸出
🌿 ブログやSNSでの情報発信とアフィリエイト
🌿 クラウドワークスなどでの在宅案件受託
🌿 AIツールを使った作業効率化・自動収益化

どれも地味ですが、リスクは低く、確実に積み上げられます。
私もこの道で、数年かけてようやく安定しました。

焦る必要はありません。

副業は「速さ」よりも「続ける仕組み」が何より大事です。

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🔚 理解できない儲け話には近づくな

「硯で稼げる」「伝統文化を守りながら収入が得られる」――

そんな言葉に心が動く気持ちは分かります。

でも、冷静に考えてください。

• 誰が買うのか？
• どうやって利益が出るのか？
• 自分で説明できるのか？

この３つに明確な答えが出ないなら、それは“投資”ではなく“幻想”です。

私は破産を経験しました。
だからこそ断言します。

「理解できない副業には、絶対にお金を出さない。」

副業とは、希望を取り戻すための手段であって
焦ってつかむ“最後の賭け”ではありません。

✍️ 執筆：さゆ（50歳・小規模企業経営者／海外EC・副業発信）

「失敗も破産も、再起の材料にできる。
でも“詐欺”だけは、何も残らない。」