50歳で小さな企業を営みながら、
海外ECや新規事業のアドバイザーをしている立場から
「THE SHIP」という案件を調べてみました。
過去に二度の起業と挫折、自己破産も経験している私にとって、
大きな約束や派手な宣伝文句には特に慎重になります。
結論から言うと、この案件はおすすめできません。
キャッチコピーの実態
「1日1回ボタンを押すだけで日給2万5千円」「作業は10秒で完了」
──そんな夢のような表現が並びます。
しかし投資や副業の現場に長く関わってきた身として、
このような短時間で安定的に大金を稼ぐ仕組みは存在しません。
根拠が示されない以上、現実性は低いと言わざるを得ません。
登録後に見える仕掛け

登録すると説明動画が届きますが、具体的な稼ぎ方の中身は語られず、
大きな金額を強調するばかりです。
体験版では利益が出たように表示されるものの、
出金は「正式会員」にならなければできません。
これは典型的な誘導パターンであり、注意が必要です。
参加費用の高さ
最終的に提示されるのは、有料サロンへの参加。
費用は29万7千円と高額です。
収益モデルが不明確なまま大きな資金を求める設計は、資金繰りに苦しむ人を一層追い込むリスクがあります。
小規模事業者や再起を目指す人には特に危険な条件です。
信頼性の弱さ
発起人の経歴は華々しく語られていますが、裏付けとなる証拠は見当たりません。
特商法の表記も連絡先が限定的で、事業者の実態を確認するのが難しい構造になっています。
さらにネット上の口コミでも「稼げた」という確かな証言は確認できませんでした。
再起組としての学び
私自身、過去に「これで一発逆転できる」と信じて痛い目を見ました。
だからこそ断言できますが、
仕組みの説明が不十分な案件ほど危険です。
大切なのは、次のようなポイントを必ず確認することです。
- 収益の式:仕入れ、手数料、回転率、勝率、出金条件までが明示されているか
- キャッシュフロー:入金と支払いのタイミングが噛み合っているか
- 再現性:誰でも同じ手順で成果を出せる根拠があるか
これらのどれかが欠けている案件は、いくら魅力的に見えても手を出すべきではありません。
代わりにできること

- 小さく始められる物販
- 副業時間を削らずに済むマイクロサービス
- 海外ECのスモールテスト、など
資金をドカンと突っ込むのではなく、
少額で検証しながら仕組みを育てることが、結局は長く続きます。
自己破産を経験したからこそ、
私は「無理のないキャッシュフロー」が最優先だと伝えたいです。
まとめ
THE SHIPは、宣伝と実態のギャップが大きく、
根拠のない数字と高額費用が目立ちます。
焦りや不安を利用する案件に飛びつくのではなく、
小さな検証と継続から未来を築く方が堅実です。
同じ氷河期世代や再起を目指す方には、
どうか「守りながら挑戦する道」を選んでほしいと思います。