氷河期世代の小規模経営者としての見立て
就職氷河期に社会へ出て二度の起業と挫折を経験した自分からすれば
「AIに任せるだけで日給十万円」という宣伝文句ほど危ういものはありません。
AI Brainという案件も、その典型例です。
実際に調べると、登録や個人情報の入力をする前に冷静に考えるべき理由がいくつも見えてきます。
運営情報の不鮮明さ

公式ページには特定商取引法に基づく表示があると謳われているものの
実際には正常に表示されないなど不備が指摘されています。
所在地や責任者、返金規定が曖昧な事業は
万が一トラブルが起きたときに利用者が守られない危険があります。
小規模企業の経営者として日々「責任の所在」を重視している身からすると、これは致命的です。
広告の過剰な約束
- AIに指示するだけで稼げる
- 249名が全員成功した
- 完全放置で収入が入る
――こうした表現は冷静に考えれば不自然です。
もし本当に全員が高収入を得られる仕組みなら
ニュースで大々的に取り上げられているはずです。
見極めのためのチェックポイント
- 特商法の表記が曖昧、または辿れない
- 「誰でも絶対に稼げる」といった断定的な言葉が並んでいる
- 無料体験を餌にして個人情報や支払い情報を収集している
- 仕組みの説明がブラックボックスで、再現性が検証できない
- 最終的に高額プランやコミュニティに誘導する導線が仕込まれている
これらのサインがひとつでも見えたら、撤退を考えるのが妥当です。
なぜ狙われやすいのか

副業や再起を考える人は、資金繰りや将来への不安を抱えています。
その心理につけ込む形で「楽して稼げる」「もう失敗しない」
といった希望を過剰に刺激してくるのが、この手の案件の手口です。
冷静さを失ったときこそ最も危険であり、判断を誤ると本業にも悪影響が及びかねません。
過去に自己破産を経験した立場から強く言えるのは、弱っているときこそ派手な約束を疑う視点が必要だということです。
販売導線の典型
AI Brainの流れは「無料モニター」で入口を作り
体験談や限定感で信頼を高めた後、高額プランや追加費用へ誘導するものと考えられます。
これはプロダクトローンチ型の販売手法を悪用した典型的な形であり、特に時間が限られている事業者や副業希望者ほど判断を誤りやすい構造です。
まとめ
事業は
「仕組みの透明性」「検証可能な実績」「責任の所在」
が揃って初めて信頼できます。
AI Brainのように甘い言葉や全員成功を強調する案件は
その条件を欠いています。
不遇な経験から再び立ち上がった身として強く言えるのは
派手な約束ではなく、再現性と透明性を備えた方法を選ぶべきだということです。